裁判が終わるまでの期間

東京駅から徒歩3分程度の八重洲に事務所がある弁護士の中里です。

今回は、裁判(訴訟)になった場合に、裁判が終わるまでの期間について少しご説明します。

この記事では、交通事故の被害者側が原告となる損害賠償請求事件に絞ってご説明いたします。

まず、裁判を起こす(訴訟提起)ためには、「訴状」という書面を作成して裁判所に提出する必要があります。

この訴状作成には、事件の内容や性質にもよりますが、だいたい1ヶ月程度かかります。

もちろん、早いと数日で完成できる場合もありますし、時間がかかってしまうケースだと2か月近くかかってしまうこともありケースバイケースです。

訴状が完成し、訴状を裁判所に提出した場合、裁判所が受け付けてから

第1回目の裁判期日が開催されるまでに、だいたい1ヶ月半から2か月程度かかります。

裁判所が訴状を受け付けてから、裁判所書記官が訴状に不備がないかチェックをするのですが、

裁判所書記官の忙しさの程度によって、すぐチェックしてくれる書記官もいれば、

なかなかチェックしてくれない(?)書記官もいるため時間にばらつきがあります。

それに加えて、相手方(被告)の方の代理人弁護士がなかなか決まらなかったり、

被告に訴状が送達されない(届かなかったり、受け取ってくれなかったり)場合なども、第1回目の裁判期日の開催が遅れる原因となります。

無事に第1回目の裁判期日が開催されたあとは、

次回の裁判期日開催までには、約1~2か月の間隔が空けられます。

この間に、主張を追加したり、反論する書面を作成します。

主張、反論を繰り返し、原告、被告双方の主張反論が出尽くしたところで(ここまでに訴訟提起から数か月から半年、長いと1年近くかかるケールもあります。長いと1年以上にもなることもあります。)、

裁判所から判決前の和解に応じられないか打診があります。

双方が和解に応じる余地はあるとなった場合には、裁判所からの和解案が提示されます。

この和解案で双方とも応じれば、尋問をすることなく裁判は和解で終了します。

もし、どちらかが、もしくは双方が和解に応じられないとなった場合には、

尋問を経て、判決をもらうことになります。

実際のところは、尋問をしたあとに、裁判所から再度和解でまとめられないかという打診があります。

いずれにせよ、最初の和解を蹴った場合、尋問から再度の和解や判決をもらえるまでは、2~4か月程度余分に時間がかかってしまうことになります。

結局のところ、裁判になった場合に、全て解決するまでにだいたい半年から1年程度かかることが多いです。

一番短いのは、裁判期日がたった2回で終わってしまうこともあります。

被害者が死亡したケースで、事故当事者が死亡している場合などには、

判明している事実がどんどん追加されることが基本的にはないため、

あとは、その事実を裁判所がどのように評価するかだけの話だからです。

この場合、仕事ができる裁判官の場合には、第1回目の裁判期日から、和解案を用意してくださっている場合があり、次回期日までに双方がその和解案に応じれば、2回目の裁判期日で、裁判が終了してしまうというとてもスピーディーに裁判が終結してしまうときもあります。

とても長く時間がかかったケースとしては、被告(加害者)側の弁護士が医師に意見書作成をお願いしているが、なかなか完成しないという理由で、半年くらい待たされたこともありました。

意見書が完成していなかったのか、本当は完成していたのに、被告側の弁護士が反論の書面をなかなか書けなかったのかは、定かではありません。