こんにちは。東京弁護士会所属の中里です。
今回はWEB裁判について、少しだけ触れます。
コロナ禍になる前から、裁判のIT化が進められていました。
【①WEB裁判が普及する前】
裁判は、原則、当事者(多くはその代理人)が裁判所に出廷して、期日が開催されます。
遠方の裁判所の場合には、電話での参加が認められたりすることもありました。
【②WEB裁判が始まりだした頃】
まずは、東京、名古屋、大阪などその他の大都市圏をカバーしている裁判所での裁判が行われておりました。
このときは、早く他の都市圏でも、WEB裁判の運用が始まってくれないかと待ち望んでいました。
【③令和4年5~6月以降】
上記の大都市圏だけでなく、その他の裁判所でもWEB裁判の運用が開始されることとなりました。
例えば、千葉地方裁判所松戸支部、名古屋地方裁判所岡崎支部などWEB裁判の運用が開始されることを、つい先日確認いたしました。
WEB裁判がないと、裁判所に出廷して、主張書面を陳述したり、証拠を提出しないといけないのですが、
主張書面や証拠類は、事前に裁判所に郵送やFAXなどで提出しているため、
実際のところ、裁判所に出廷しても、準備書面の内容をわざわざ読み上げることはなく、
ただ、「陳述します」と一言述べるだけで、
次回の裁判期日を決めて、裁判が終わることがほとんどです。
所要時間は数分で終わることがほとんどです。
尋問をする場合には、もちろん時間がもっとかかりますが、
尋問までいくことはそこまで多くはないため、
実際の裁判では、書面のやり取りをするだけで終わってしまうことが多いのです。
ですので、弁護士がわざわざ裁判所に行く必要性がそこまで高くなかったという評価もできます。
我々弁護士や裁判所も、ここ最近のコロナ禍を経験し、WEB裁判のメリットが再認識され、
どんどん普及することとなっていきました。
これにより、一日に何件もの訴訟を、いろんな場所の裁判所の裁判をすることができるようになったわけです。
今後ますます民事裁判のIT化が進むことを願います。