弁護士の中里智広です。
今回は、交通事故で第10胸椎圧迫骨折を負い、後遺障害11級7号を認定された40代男性会社員の解決事例をご紹介します。
特に、逸失利益の交渉で粘り抜いた結果、最終的に2200万円で示談できた成功例です。
事故の概要
依頼者は原付バイクで走行中、信号無視の相手方車両に衝突されました。
バイク事故では、ヘルメット未着用や不適切な着用によって過失が修正されることがありますが、本件ではフルフェイスヘルメットを適切に着用しており、当方不利の過失修正はありませんでした。
- 過失割合:当方0%、相手方100%
治療経過と症状固定
事故後、約9か月間通院。
症状固定後も痛みが残り、後遺障害申請を行いました。
後遺障害申請の方法
圧迫骨折系の後遺障害は、レントゲン計測による骨高低下率で認定されるため、事前認定で申請。
結果、狙っていた後遺障害等級11級7号が認定されました。
示談交渉の経過
本件の最大の争点は「逸失利益」でした。
交渉は計4回の提案を受け、そのたびに粘り強く増額を実現しました。
1回目
- 提案額:約980万円
- 逸失利益:約460万円(喪失率14%、期間5年)
2回目
- 提案額:約1842万円
- 逸失利益:約1270万円(喪失率14%、期間16年)
3回目
- 提案額:約2120万円
- 逸失利益:約1550万円(喪失率14%、期間16年+7年)
最終(4回目)
- 提案額:2200万円
- 逸失利益:約1630万円(喪失率14%+α、期間16年+7年)
解決のポイント
- 早期の段階で傷害慰謝料・休業損害・後遺障害慰謝料は訴訟基準満額を獲得
- 逸失利益は年数・労働能力喪失率を丁寧に立証し増額
- 訴訟移行のリスクと依頼者の希望を踏まえて、早期かつ高額で解決
最終結果
- 後遺障害等級:11級7号(第10胸椎圧迫骨折)
- 最終示談金額:2200万円
- 弁護士介入後の増額幅:1回目提案額から約1220万円増
弁護士からのコメント
交通事故の賠償交渉は、「最初の提示」で妥協してしまうと、本来もらえるはずの金額を大きく逃すことになります。
今回の事例は、粘り強い交渉で逸失利益を大幅に増額できた好例です。
もし後遺障害の等級認定や逸失利益の金額でお悩みなら、早めにご相談ください。
初回相談は無料です。
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