【解決実績】併合8級(高次脳機能障害9級・肋骨変形12級)で2000万円の賠償を獲得
こんにちは。東京の弁護士の中里です。
今回は、私が担当した交通事故案件のうち、併合8級の後遺障害等級が認定され、最終的に2000万円の賠償金を獲得した事案についてご紹介します。
事故の概要|横断歩道上の歩行者事故
被害者は70代の女性。横断歩道を歩行中に自動車にはねられるという、非常に悪質な事故でした。
過失はもちろん当方0%。
事故直後から息子さんが当法人にご相談くださり、私が一貫して対応しました。
保険会社の不誠実対応に屈しなかった
当初、保険会社は治療費を抑える目的で健康保険の使用を強く要請してきました。
さらに、医療機関に治療費をわざと支払わないという卑劣な対応までありました。
こうした姿勢には断固として対抗し、自由診療のまま治療を継続する方針を貫きました。
後遺障害申請の戦略|あえて「事前認定」を選択
症状固定後、問題は後遺障害の等級申請です。
本件では高次脳機能障害が主傷病であり、申請書類の記載内容が結果を大きく左右します。
一般的には「被害者請求」が良いとされがちですが、高次脳機能障害の場合は、保険会社側から「弁護士が操作した」などと因縁をつけられることがあり、訴訟で争われるリスクが高いと感じています。
そこで今回は、あえて事前認定を選択しました。
認定結果
- 高次脳機能障害:9級10号
- 肋骨の変形:12級5号
- 結果:併合8級
示談交渉の攻防|粘り強く2000万円で解決
認定後は損害額の算定と保険会社との交渉に入りました。
被害者は専業主婦で夫と2人暮らし。訴訟を望まないご家族の意向をふまえつつ、粘り強く交渉しました。
示談金額(概算)
- 休業損害:約246万円
- 入通院慰謝料:約220万円(訴訟基準満額)
- 後遺障害慰謝料:約800万円(訴訟基準の約96%)
- 後遺障害逸失利益:約717万円(労働能力喪失率45%・平均余命2分の1の7年分)
※ご注意ください
賠償金の金額は、症状固定時の年齢・基礎収入・後遺障害等級・就労状況などの条件によって大きく異なります。
「9級なのに2000万円だけ?」と思われるかもしれませんが、本件の被害者は70代の専業主婦であり、本件の結果は十分に妥当かつ高水準なものです。
早期示談の意義と今後の備え
訴訟に移行すれば、さらに高額な賠償が得られた可能性もありますが、それには医学意見書の取得や訴訟リスクなど負担も伴います。
今回は、そのすべてをふまえて、想定より100万円高い2000万円での早期解決に成功しました。
事故から約1年8か月。
不当な対応に屈せず、粘り強く進めた結果、満足のいく結果となったと自負しています。
交通事故のご相談はお早めに
高次脳機能障害などの重度後遺障害案件は、初期対応と戦略設計が重要です。
交通事故でお困りの方は、どうぞお早めにご相談ください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。